本 「カンボジア 運命の門」図書館から借りてきて、なかなか読めないままになっているこの本を、少しだけ読んだ。著者のフランソワ・ビゾは、フランスの民族学者で、 カンボジア内戦前にアンコールワット等の遺跡や遺物の研究に従事していたのだが、 クメール・ルージュに捉えられ、スパイ容疑で収容所に送られた。 そこで、死の恐怖と向き合いながら生き延び、 プノンペン陥落後は通訳としてクメール・ルージュやフランス大使館との間で 様々な悲劇と向き合うことになったようである。 4月にカンボジアに行って以来、 私の心は以前よりも強く人間の本性について考えてしまう。 どのような人間も、状況如何で悪魔にも天使にもなりうる。 しかし、そこには共通するプロセスがあるはずだ。 日本全体を震撼させている少年の事件も、 必ずしも「特異な事件」とだけ言い切れるものではないだろう。 忘れてはならないのは、私達人間は例外なく「闇」を抱え、 状況によってその闇から 本人の想像もつかない悪魔の手が伸びてくる存在だということだ。 他人の闇を詮索するよりも、自分自身の闇を見詰め、 それを制御することを身につけ、 誰かの闇に気付いたならば、 親切な行動でサポートする方法を考えなくてはならないだろう。 とにかく、早いことこの本を読み終えて、期限までに返却しなくては。 2005年01月06日 |